【ボスニア・ヘルツェゴビナ】大気汚染の深刻さが世界一?
「ボスニア・ヘルツェゴビナの大気汚染は死活問題」にお越しくださいましてありがとうございます。
平本 亘(@follow_me_peace)です。
この記事を書いている2019年12月現在、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで生活しています。
今回の記事では、ボスニア・ヘルツェゴビナの大気汚染に関心のある方に向けて
- ボスニア・ヘルツェゴビナの大気汚染がどれほど深刻なのか
- ボスニア・ヘルツェゴビナでなぜ深刻な大気汚染が起こっているのか
- ボスニア・ヘルツェゴビナに来る際の予防策
について解説します。
こんな人におススメ
- ボスニア・ヘルツェゴビナの大気汚染に関心のある方
- 冬にボスニア・ヘルツェゴビナに訪れようと考えている方
それでは、本題に入っていきましょう。
目次
ボスニア・ヘルツェゴビナの大気汚染は実に深刻
ボスニア・ヘルツェゴビナの冬の大気汚染は、本当に深刻です。
12月に入ってからは、20m先が見えなくなることも少なくありません。
そんなボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボは2018年に世界一大気汚染の深刻な街と言われました。
日本では、大気汚染と聞けば中国の大気汚染を思い浮かべますよね。
しかし冬場に限定すると、中国の大気汚染よりもボスニア・ヘルツェゴビナでの大気汚染の方が深刻なのです。
先日、このようなメールが届きました。
[ボスニア・ヘルツェゴビナ] サラエボで大気汚染が危険レベル
ボスニア・ヘルツェゴビナ当局は8日、首都サラエボのPM10による大気汚染がこの数日で危険なレベルに達しているため、市内の道路での貨物車両の走行禁止および屋外での公共イベント中止を発表、また、市民には屋内に待機するよう警告を発した。8日までの3日間で欧州の環境基準の2倍から最大5倍に達していたとされる。国連環境計画が最近発表した報告書によれば、サラエボの大気汚染は欧州で最悪のレベルに達しており、国民の平均寿命が1.3年縮む可能性を示唆している。
簡単に要約すると
- ボスニア・ヘルツェゴビナの大気汚染は危険なレベル
- 環境の安全基準を5倍上回る
- 首都サラエボの大気汚染はヨーロッパで最悪レベル
です。
大気汚染の影響で、寿命が1.3年縮むってやばいでしょう…
大気汚染危険レベルは健康被害あり
大気汚染レベルは、AQI(大気汚染指数)という指標で表されています。AQIは、アメリカの環境保護庁(EPA)が発表している指標で、6段階で空気の質を評価しています。
ボスニア・ヘルツェゴビナの危険レベルとは、6段階評価中で一番深刻なHazardousに当たります。
このHazardaousは、全ての人に人体的被害をもたらすレベルの大気汚染という意味です。
全ての人に健康被害があると言われれば、寿命が縮むと言われても納得ですね。
Air Quality Index (AQI) Basicsは英語のサイトですが、AQIやEPAについて紹介されています。参考程度にご覧ください。
環境安全基準の5倍を上回る
環境基準は、「維持されることが望ましい基準」であり、行政上の政策目標である。
とされています。
したがって、ボスニア・ヘルツェゴビナで設定されている、環境安全基準を5倍も上回っているということになります。
ボスニア・ヘルツェゴビナで、どのような数値設定がされているか分かりません。
しかし、すでに環境汚染の進んでいる地域では、行政目標が達成できるように日本より高い数値が設定されていることが分かります。
ヨーロッパで最悪レベルの大気汚染
欧州では依然として、大気汚染が早死にの主要な環境的要因となっている。
ヨーロッパ全体で、大気汚染が深刻化しているそうです。ヨーロッパでの大気汚染は、早死にの要因になっているほど。
そのヨーロッパの中でもボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボは最悪レベルに至っています。
ボスニア・ヘルツェゴビナの大気汚染は原因がたくさん
なぜボスニア・ヘルツェゴビナで、ここまで深刻な大気汚染が起こっているのでしょうか?
考えられる原因はたくさんあります。
さきほどのメールの続きに次のように理由が説明されていました。
サラエボは山に囲まれた盆地のため空気が滞留しやすく、その上、近年は高い建物が増えて空気の流れが悪くなり、さらに古い車両からの排気ガスや石炭暖房の排気などにより、大気汚染が年々悪化していた。
- 山に囲まれる盆地地形や高い建物の影響で空気の流れが悪い
- 古い車両からの排気ガス
が原因とされています。
その他に、ボスニア・ヘルツェゴビナで生活する人々に理由を聞いてみると新たな原因も現れてきました。
それは
- 暖房のためにゴミを燃やしている
とのことでした。
空気の流れが悪い
サラエボは、周りを山に囲まれる盆地地形です。ボスニア紛争の際もこの盆地地形が災いになったと言われています。
PM2.5やPM10などの有害物質を含む空気は重くなり、大気の下部に溜まります。
そうすることで、人々が生活するサラエボの市内では、きれいな空気と換気するできないまま汚染された空気が溜まり続けるのです。
古い車両からの排気ガス
ボスニア・ヘルツェゴビナでは、今もなお古い車両が多くが走っています。ヨーロッパ最貧国と呼ばれるボスニア・ヘルツェゴビナでは、欧米諸国の裕福さはありません。
古い車両は、環境に配慮された車が少なく、排気ガスの質も悪いことが多いです。
日本の車が黒い排気ガスを出しながら走っているのを見ることは少ないと思います。
しかし、ボスニア・ヘルツェゴビナで走っている車からは、黒い排気ガスがたくさんでており、大気汚染になっているなと感じることができます。
また、車の燃料にも違いがあります。
ボスニア・ヘルツェゴビナでは、ガソリンよりも環境へのダメージが大きいディーゼルという燃料が使われています。
ディーゼルは、ガソリンに比べて燃費や馬力が優れており、かつ安価な値段で給油することができます。
ヨーロッパ最貧国と言われる国ならではの悩みなのかもしれませんね。
暖房のためにゴミを燃やしている
ボスニア・ヘルツェゴビナの冬は、気温がマイナスまで下がりとても冷え込みます。
そのような国では暖房機能が必須ですが、ボスニア・ヘルツェゴビナでは、ごみを燃やして暖房を使っています。
ボスニア・ヘルツェゴビナでは、分別という考え方はなくすべて一緒に捨ててしまいます。そのため、燃えるゴミも燃えないゴミも生ごみもすべて一か所に集められます。
このような分別されていないゴミを燃やすことで、ダイオキシンをはじめとした有害物質が大量に放出されています。
ボスニア・ヘルツェゴビナの大気汚染にはマスクで対抗
夏が観光のベストシーズンと言われているボスニア・ヘルツェゴビナ。観光シーズンに大気汚染が気になることはありません。
しかし、冬場のサラエボに来ることになる方もいらっしゃると思います。
そんな方は、是非マスクを持参して対応してください。
直接空気を吸い込むと、思わず咳き込むも少なくありません。マスクを着用していれば少しはましかと思います。
ボスニア・ヘルツェゴビナの大気汚染は世界一
今回の記事では、ボスニア・ヘルツェゴビナの大気汚染に関心のある方に向けて
- ボスニア・ヘルツェゴビナの大気汚染がどれほど深刻なのか
- ボスニア・ヘルツェゴビナでなぜ深刻な大気汚染が起こっているのか
- ボスニア・ヘルツェゴビナに来る際の予防策
について解説しました。
2018年に世界一大気汚染が深刻な街と言われたボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボ。
その深刻さは本物です。
もし、冬のサラエボに訪れる予定のある方は、マスクを忘れずに持参してください!