朝鮮半島情勢について考えた
みなさん、こんにちは!
平本 亘(@follow_me_peace)です。
大学3年生の春セメスターで
「朝鮮半島」の情勢について少し勉強していました。
今回の記事では、
授業で習った朝鮮半島情勢について
少しシェアしてみたいと思います。
目次
朝鮮半島の情勢
2011年に金正日氏が亡くなって
金正恩総書記に代ってから
北朝鮮に関する国際関係は凄まじく変化してきました。
2018年に入ってからは中国の習近平と金正恩が会談するだけでなく、
韓国の文在寅大統領、さらにはアメリカのトランプ大統領と会談を重ねています。
毎回の会談では、必ず北朝鮮における核開発が議論されて
全世界が注目をしているのではないでしょうか。
最近では、
アメリカ軍が韓国から撤退するなどしています。
これがなにを意味するか。
それは、「戦争」の可能性が浮上している
ということです。
アメリカからいつでも
北朝鮮に向けてミサイルを飛ばすことができる…なんてことも。
だからこそ、
今は真剣に朝鮮半島情勢について
知っておく必要があるのではないかと。
朝鮮半島の「分断国家」の歴史的経緯
では、そもそも朝鮮半島は
なぜ韓国と北朝鮮に分かれているのかを紹介します。
1910年の日本軍による韓国併合から
朝鮮半島では、日本による支配が行われていました。
しかし、1945年にソ連軍が日本統治下の朝鮮半島に侵攻した後、
日本軍が降伏し終戦しました。(日ソ不可侵条約の違反)
これによって、
日本による統治が終了した朝鮮半島では、
ソ連に占領された北側では、
朝鮮共産党北部朝鮮部局が設⽴され、⾦⽇成が登場します。
金日成は、戦時中にソ連極東方面軍下で活動していたこともあり、
1946年には北朝鮮政権の最高指導者として任命されます[1]。
その後、巧妙に支配力を強めていった金日成は、
1948年9月9日に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を建国するに至ったのです。
一方、アメリカによる統治が行われた南側では、
南北統一問題が国際連合に持ち込まれ、
翌年の5月には国際連合の監視下で、総選挙が行われました[2]。
1948年8月15日には李承晩を初代⼤統領として、大韓民国(韓国)が樹立されました。
金(1997)によれば
金日成とその周辺は、韓国に対して優越感を持ち、南半部の解放は、歴史的使命であり、南朝鮮解放戦争は、神聖な義務である[3]
と考えていたのだそうです。
そんな状況の中で、
アチソン米国国防長官は1950年12月に後退防衛戦を設定しました。
このアチソンラインは
フィリピン―沖縄―日本―アリューシャン列島までである
とされていて、
南進を決定したと言われています。
これにより開戦した朝鮮戦争は、現在も停戦されることなく現在に至っているのです。
<参考文献リスト>
[1] 塚本勝一, 2000, 『北朝鮮・軍と政治』社原書房
[2] 今日の歴史(5月10日) 聯合ニュース 2009/05/10 https://jp.yna.co.kr/view/AJP20090416003400882
[3] 金学俊, 1997, 『北朝鮮五十年史』(李英訳) 朝日新聞社
冷戦と北朝鮮が核・ミサイル開発した理由
では、いつも話題になる北朝鮮の開発問題ですが
なぜ、解決しないのでしょうか?
北朝鮮が核・ミサイル開発に強い関心を持ち始めたきっかけは、
朝鮮戦争であったと言われています。
わずか3か月で釜山まで侵攻したのにも関わらず、
アメリカが率いる国連軍が介入すると、すぐに中国国境まで北侵されました。
最終的には、軍事境界線を北緯38度まで戻すことができましたが、
「勝てない」という経験をしたと言えるのではないでしょうか。
このような経験をした北朝鮮は、
この状況を打開するためには、
核・ミサイルをもって対抗する必要があると感じたのではないかと
考えられるのです。
また、塚本(2000)は、
外敵による本土攻撃を経験したことのないアメリカに対しては、
少数の核でも保有すれば、十分対等な立場に立つことができるほどの
抑止力があると、北朝鮮が考えた
と指摘します[1]。
冷戦下にあった当時、
ソ連の支援を受けていた北朝鮮にとっての外敵は、アメリカでした。
そのアメリカとの直接対決において、力の差を見せつけられた一方で、
アメリカを抑止する方法として、
アメリカ本土を直接狙うことができる核・ミサイルは
有効であったと考えられるのです。
以上のことから、
アメリカ率いる西側諸国の軍事力を理解することになったが、
それらの国々を抑止するためには核・ミサイルを開発することが
必要であったと考えられる。
[1] 塚本勝一, 2000, 『北朝鮮・軍と政治』社原書房
核問題に対する国際社会の対応
では、そのような核開発問題に対して
国際社会はどのような対応をしてきたのか考えていきます。
北朝鮮の核・ミサイル開発に対して、
世界193か国が加盟する国際連合は、
2006年以降経済的な制裁措置を与えてきました[1]。
このことから、世界の大部分が、
北朝鮮の核開発に対して非難の目を向けていることが分かります。
北朝鮮の核開発に協力しているとの見方もできるのです。
ロシアは安保理の制裁決議に賛成するなど
北朝鮮の核開発に表面上は強く反対していますが
北朝鮮のミサイルに詳しいマーカス・シラーによれば
ロシアの関与の形跡がそこら中に見られる[2]
だそうです。
ミサイルの破片の中から、北朝鮮では作ることのできない
部品があったり…
電気供給の支援を要求しました。
その時、ソ連は
これは、暗に北朝鮮に核を持ち込んだといえるのでは?
これらのことから、
国際社会としては北朝鮮の核開発に対して経済制裁を与えるなどしている一方で
ソ連は北朝鮮を秘密裏に支援していると指摘することもできます。
マクロな視点でしか見ていないと
全世界が北朝鮮を批判しているようにしか見えませんが
ミクロな視点で見ると
どうかわかりませんね~
<参考文献リスト>
[1] NHK WEB NEWS 「対北朝鮮 どんな制裁が行われてきた?」(2018) 2019年7月5日閲覧https://www3.nhk.or.jp/news/special/45th_president/articles/2017-1224-00.html
[2] デービットブレナン, 2019, 「北朝鮮の飛翔体『ロシア関与の形跡がそこら中に』―専門家」 NEWSWEEK https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/05/post-12152.php